God is in the details (神は細部に宿る)
新築マンションの造作家具のご相談でお問い合わせいただきました。
かっこよく、かつ、少しあそび心のある造作家具にしたいというイメージをお持ちでしたが、空間に似合うのか、統一感がでるのかを心配されていていました。
「God is in the details」は近代建築の巨匠 ミース・ファン・デル・ローエ の名言で、「美しさは細部にこそ存在する」と解釈していますが、今回はまさにこの言葉がふさわしい空間になりました。
アシンメトリーな壁面収納
全体的にモノトーンで間接照明を多く使いたいというご要望でした。
壁面収納は少し面白いデザインがいいとのことで、収納の扉分割を変えてアシンメトリーにし、アクセントの飾り棚が引き立つデザインに。
飾り棚の背面は建具の色味に合わせたオークの突板にしてアクセントを出し、ガラス扉の部分は奥行きを変えて変化を出しています。 2つの飾り棚の間接照明は光らせる位置を変え陰影を変えてます。
扉は低圧メラミンのダークグレー+ガラスの組み合わせです。
黒ではなくダークグレーを選ぶことで重くなりがちな空間を緩和しています。
存在感のある木パネルと石目のカウンター
石目を使いたいとご希望でしたので、TVボードのカウンターにサイルストーン(クォーツストーン)を選んでいただきました。
「マルキーナ」という大理石調の柄。大柄ですが主張しすぎないようにデザインとバランスを調整して製作しています。
扉はオークの突板ブラックとガラス扉。
ガラス扉も金属のフレームが目立ちにくいものを使用し、機器の赤外線が通るギリギリの濃さのブラックのガラスを選んでいます。
壁面は木パネルを天井まで伸ばし高さを生かしたデザインに。
パネルの両サイドとTVボード下に照明を入れ空間の明るさを出しています。
細部にこだわったキッチンカウンター
キッチン部は背面の収納に加えて、アイランドキッチンの前に4人掛けのカウンターを製作しました。
既存のキッチン。
元々の面材は石目調でしたが、グレーの壁にするにあたって色味が近くボケてしまうので、濃い色をご提案。
素材が一番悩むところでした。既存キッチンの面材とカウンターの素材が違うので後付けの感じがでてしまい、うるさくならないか懸念されていました。
そこでキッチンと一体型に見えるようにキッチンの側板も取り替え、カウンターの天板と側板は同じ素材にしました。さらに留め加工にして一体感を出しています。
細かな所ですが綺麗な仕上がりになるかならないかの重要な箇所で、工場と仕上げ方を何度も打ち合わせをした箇所です。
カウンター下には浅めの収納を設けてwifiルーターをしまう場所に。
長さのあるカウンターがたわむのを防ぐ役割も兼ねています。
キッチン背面の家電収納は両開きの「垂直収納扉」を採用。
開いた扉をキャビネットの内側に収納することができます。
また、ゴミ箱は引き出しで分別できるビルトインタイプ。来客時は家電、ゴミ箱などすべてを扉で隠せる仕様です。
天井高を活かして長めの扉割にし、より高く見えるようにデザインしました。
迫力のある一枚板デスク
ウォールナットの一枚板を使用した贅沢なデスクとプリンター収納。
お手持ちの照明や家具に合わせて一枚板の脚もステンレスで製作しアクセントにしました。
お引っ越し後に撮影させてもらいました。
お手持ちの家具と一枚板の脚の色味がぴったりです。
寝室も間接光でゆったりと
ベッドヘッドに間接照明を入れ、両サイドにはナイトテーブルの引き出しをつけました。
寝室の間接照明は直接目に入らない光のため、睡眠への導入には最適です。
お引っ越し後のリビング。
当初は造作家具のみのご相談でしたが、最終的には、壁の左官仕上げを含めた全体的なリノベーション工事もさせていだきました。
左官仕上げのグレーの壁の色やお手持ちの家具や照明に合わせながら、デザインしましたが、とても相性良い空間になっていました。
お引っ越し後の感想を聞くと「居心地よくなって、お客様をお招きするとなかなか帰ってくれないんだよ。」とうれしいコメントもいただきました。
今回は私たちもデザイン・検証をしながら細部の美しさにこだわる製作となりました。
このようにIMPLEMENTSではキッチン工事や造作工事と一緒に、造作工事にからむリノベーション工事も承っております。細かな納まり、仕様に関してもご要望に応じて柔軟に対応しています。
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